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トップ 活動 > 定年後、妻と二人でいちご栽培を始めた62歳!

佐藤さん夫婦 佐藤遥雄氏1945年生(昭和20年)
大分市野津原町在住  

2003年病院事務管理職を退職後、1年間
農業(いちごハウス栽培)の見習いをする。
現在は独立し、8R(242坪)の土地で
いちご(さがほのか)の栽培を行っている。 

   
大分市内から南の郊外へ、約14kmほど下っていくと、
途中、大型店の進出ラッシュでにぎわう稙田地区があり、
夏には、蛍狩りで有名な七瀬川(大分川の上流)に沿って
国道442号線を進むと、大分市野津原支所(旧野津原町役場)が
右手に見えてきます。
農業を営む佐藤さんのご自宅は、支所の北側の旧道に
面したところにあります。
ご自宅は農家の雰囲気が全くなく、迎えに出てくださった
ご夫婦も普段着で、休日をたのしむ夫婦といった感じです。
ご主人は突然の訪問者(私)を見て、手を振りながら道路まで出て
迎えてくれました。
(実は、私とご主人とは中学生時代の同級生ということで、アポなしのご無礼は承知の上での訪問でした。)
運よく、ご夫婦ともにお昼の休憩でたまたま自宅に戻られていました。
まずは、客間に通されお茶をいただきながら奥様を交えての雑談がてら、
インタビューをさせていただきました。
ご主人
親戚が病院経営をやっていたのですが、
その病院の事務を手伝ってくれということで退職まで勤め上げてきました。
後進に道を譲る意味もありまして、4年前59歳でその病院の管理職を
退職させていただきました。

奥様
私も主人も、お勤めのころから庭いじりが大好きで
休日は、せっせと草花を育てていました。
とくに「シンピジウム」に凝った時期もありましたわね。

--
それでは、お勤め時代から農業をやりたいという気持ちが
すでに芽生えていたのでしょうか?

ご主人
長男が、牧場経営にあこがれて東京農業大学へ進学したのですが、
卒業後、先進国でさらに学びたくてアメリカのネブラスカ州立大学に
2年留学いたしました。
酪農の勉強に行ったのですが、留学中からなぜか、
果樹園や園芸の方に惹かれるようになって帰国したのです。
日本へ帰ってからもその想いが募り、彼は恋人にも
相談いたしましたところ、
彼女も息子の考えに賛同し、一緒に大分で農業を始めることと
なったわけです。

奥様
ほら、その道路を挟んで向かい側が息子夫婦の自宅なんですよ。

--
新築のモダンな住まいが道路を挟んで向かい側にあります。
ガレージにはボルボのステーションワゴンとパルサーが並んでいました。
※ 残念ながら息子さんご夫婦には、お会い出来ませんでした。

ご主人
農業をやりたいという息子夫婦の意思は十分にわかっていたものですから、
準備段階くらいなら手伝えることが何かあるのではと考えてみたものの、
農業経験のまったくない私たちには、何をどのように準備すればよいのか
さっぱりの状態でした。

奥様
私たちは草花をいじるのは共通の趣味としてありましたが、
ちょっと勝手が違いますものね。

ご主人
県や市に相談に行ったところ、とても親切に、
「ぜひとも大分で農業を立ち上げてください」と手取り足取り教えてくれました。
いちごハウス栽培の土地探しから設備、そして資金の準備までしていただき、
現在息子たちは、17R(520坪弱)のハウスで「さがほのか」栽培を
成功させることができました。



--
それで、息子さん夫婦とごいっしょにやるようになったわけですね。

奥様
いいえ、息子たちとは別に私たち夫婦のいちごハウスを
始めたのですよ。

--
それはすごい!

ご主人
退職してから何もすることがないので、息子夫婦が始めた
いちごハウスを家内と毎日手伝っていたのですが、
その結果、すっかりいちご栽培にはまってしまいました。
たしかに朝から晩まですることがたくさんあり
重労働ですが、自宅から3kmほど離れた畑へ来ると
自然がいっぱいで空気もおいしく
なんともすがすがしい気持ちになるのです。

そして、苦労して育てたイチゴを喜んでいただけると
掛け値なしに苦労が報われてうれしいのです。
それで私たちも本格的にやろうと考えはじめたわけです。
経験豊富な周囲の知人、友人に、
息子たちと一緒にすべきか、別々にすべきか、
相談いたしました。
ほとんどの方が別々に経営して、お互いにライバルとして
よい意味で競争しながらやった方が良いのではと
アドバイスをいただきました。

それで息子たちのハウスの隣に私たち夫婦の
いちごハウスを作ることにしました。
私たちのハウスは、知人から安く譲ってもらい、
約1年がかりで移築し、自分たちで組み立てました。
広さは8R(約240坪)あります。
 ※写真の左側道路側がご夫妻のハウス、
右奥が、息子さんのハウスです。

ビニールハウス風景
ビニールハウスの風景  
--
佐藤さんご夫妻と一緒に昼からの作業へと、ハウスへ
ご一緒いたしました。

ハウス周辺の畑には菜の花の黄色いじゅうたん、
そのすぐそばには小川が流れ、とてものどかな場所です。
しかも、車はハウスの入り口に横付けできるので
とても便利だそうです。

早速、ご夫妻の仕事場であるビニールハウスの中へ
おじゃましてみることにいたしました。
腰高くらいの高さの棚が30m位の長さで
奥に向かって十数列。
通路部分は、約90cm間隔で作業効率の良い幅に
並んでいます。
端と端では大声で呼びかけないと声が届かないくらいの
広さです。

ご夫妻は収穫の時期(10月から翌年6月位)だけでなく
毎日朝から晩までハウスへ出かけ、古い葉を摘んだり、
おいしいイチゴを育てるために摘果作業を行っています。
今日は、苗とイチゴの状態をチェックしながらの作業です。
あと10日位すれば次の出荷の予定だそうです。

イチゴの栽培
ご夫婦のハウス  
ご主人
ちょっとこれを食べてみて。
(熟れたイチゴを3粒ほど摘んできてくれました)

--
少々、小粒のイチゴでしたが、果肉がしっかりしていて
果汁のみずみずしさが伝わってきます。
早速食べてみると、程よい酸味のあとから甘さが口に広がり、
いつもスーパーで購入する栽培イチゴとは違い、
昔食べた、野いちごのような濃厚な野生のおいしさが
ありました。
食べた感想をご主人に伝えると
満足そうに「そうやろう!」と
何度も確かめるようにうなずいていました。

※ 「さがほのか」は、平成3年に「大錦」を種子親に
「とよのか」を花粉親にして交配した
「佐賀2号」を「さがほのか」の名称で品種登録したもの。
今、市場で一番人気のいちごだそうです。

ところで、イチゴの苗はどうするのですか?

イチゴの栽培
ビニールハウス内  
ご主人 毎日の仕事(摘葉摘芽・摘果)との重複作業ですが、
ランナー(芽がつるのように伸びてきたもの)を摘んで
小株を温室内で根付けします。
(正確には、収穫までのランナーは取り除き、
その後出てくるランナーを増殖します)
そして根付いたらハウスの外にだして苗として育てます。
その中から良い苗を育てて増やします。
(このハウスに必要な苗は約7000本)
イチゴの苗
ランナー   
-- さすがに、専門的になってきましたね。
ライバルでもある息子さん夫婦に負けない
おいしいイチゴを出荷するには大変なご苦労があるのですね。
今までやってきて、何かおもしろいエピソードとかありましたか?
イチゴの花
イチゴの花  
 
ご主人 そうそう、
定年を迎えた友人夫妻が暇をもてあまし、
あるとき手伝いに来てくれました。
友人夫婦にとって初めての体験。(ちょっぴりピクニック気分!)
なかなかの重労働とあり大変そうだったので、
15分ごとに休憩をいれましたが・・・。
それでも友人夫妻は楽しかったようで、
また何時でも声をかけてと、お土産に持たせた
イチゴや野菜を手に喜んで帰って行きました。    (笑い)
ミツバチ
ミツバチ   



--
第二の人生を十分に満喫されてますが、将来の夢をお聞かせください。

ご主人
今の生活に十分満足していますが、息子たちのおかげで農業という
第二の人生の目標ができました。
これからは楽しみながらゆっくりやって行きたいと思います。
自分たちが手塩にかけて作り上げたものを人様に喜んでもらい、
お金まで頂けるこんなありがたいことはありません。
それならもっと喜んでいただこうと、今考えているところです。

--
それはぜひお伺いしたいものですね。よかったら構想を教えてください。

ご主人
ええ、実は、山羊の牧場をやりたいのです。

--
山羊ですか?あの、メ〜メ〜と鳴く、ひげのあるヤギですよね。

ご主人
そうです。
山羊にも種類がたくさんありますが、
私が飼うのは、山羊乳が目的なのですよ。
そして山羊乳の加工も考えています。
山羊チーズや山羊ヨーグルトや山羊石鹸など、
体に優しいといわれている山羊の乳を原料にした
製品を商品化すれば、きっと皆さんに喜んでいただけると今構想を練っています。
とくに、この地域の環境が山羊を放牧して飼うのに適しているのです。
それで放牧地をこの近くに探しているところです。
良い場所があったらぜひご紹介ください。

--
それはすばらしいことですね。
ぜひ実現させてください。
本日は突然お邪魔して申し訳ございませんでした。
取材を終えて現在の心境を一言コメントして頂きました。

ご主人
今が最高に楽しい人生です!

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