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トップ 癒し 活字人間のどこが悪い!>司馬遼太郎
■私の好きな作家(1):司馬遼太郎
 彼の最大の魅力は、高い実証性を有した骨太な歴史小説家であるということだろう。
ひとつの小説を執筆するにあたっての資料集めは凄まじく、
彼が歴史的資料を集めだすと関連した古書が古本屋から煙のごとく掻き消えたという。
そんな彼の小説で私が一番好きなのは、やはり「竜馬がゆく」であろう。
見栄や面子にこだわらず、日本の将来だけを念頭に置いたその価値観や
行動力には、とにかく感服させられる。
私利私欲が渦巻く現代にあって彼の爽快な生き様を見ていると、
自分までがスケールの大きな人間であるような錯覚に陥ってしまう。
また彼のきわめて人間臭い一面も大好きで、
確か日本人で最初に革靴を履き、新婚旅行に行ったのも彼のはずだし、
姉の乙女にはまるっきり頭が上がらなかったこともほほえましく思われる。
この他にも、西郷隆盛と大久保利通を中心に征韓論から西南戦争までを描いた
「翔ぶが如く」。今現在、NHK大河ドラマで放映中の山内一豊とその妻、
千代の夫婦愛を描いた「功名が辻」も面白く読ませていただいたが、
とりわけ興奮しながら一気に読み終えたのが、「坂の上の雲」である。
秋山好古、秋山真之兄弟の魅力もさることながら、正岡子規の明るさを
失わない人間性にも心ひかれる。
そして後半の日本海海戦では興奮も最高潮に達し、
この時代の日本人とりわけ軍人の凛々しさと聡明さには驚嘆させられるばかり。
また最後の小説となった「韃靼疾風録」もスケールの大きさに圧倒され
楽しく読ませていただいた。
しかし司馬遼太郎の魅力は小説の世界ばかりではない。
「街道をゆく」シリーズも日本のそして歴史の素晴らしさを教えてくれるし、
奥さんをして、「司馬遼太郎は男女の情を描くのは
本当に下手くそ」と指摘されたり、バブル絶頂期の日本を見て、
「土地は本来、農民が耕し活用することで多くの益を得るものだったのが、
今では土地そのものが投資の対象となり、
右から左へと転がすだけで莫大な利益を生んでいる。
この現象はおかしいし、間違っているのではないか」と指摘し、
近い将来、その反動が必ず来ることを予測している。
その結末はバブル崩壊、土地価格の急落であったことは周知の事実であるが、
その見識の高さには本当に驚かされる。
歴史は繰り返されるというが、司馬遼太郎の亡き後、
彼が語り演じてくれた大役を誰が引き継いでくれるのか、
なかなか出てこないとは思うが、大いに注目したいところである。
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