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トップ 癒し > 古今亭新書-第1回「ヒラリーとライス」PHP新書
◆新書は、大人を退屈させないおもちゃ箱だと思う。

 新書と言えば、大学を卒業し、初めて勤めた広告制作会社時代のことを思い出す。
同期の新卒コピーライターは私を含め3人。その中に女性が一人いた。
仮にKさんと呼ぶことにする。
そのKさん、明らかに私より文章力がある。IQも私より高いに違いない。
そして実に沢山の本を読んでいた。同期の人間に、それも女性には負けたくない!と思った。
でもどんなに逆立ちしても彼女にはかなわない!当時は心底そう思い、落ち込んでいた。
そんなある日、彼女が手にしている一冊の本が目にとまった。青い表紙の岩波新書である。
タイトルを見てビックリした。「洞穴学ことはじめ」とある。
洞穴学って何だ?そんな学問、聞いたことが無い!
名前から言って洞けつ=洞くつに関する学問であることは推察できる。
自分が想像する洞くつと言えば、暗くジメジメしていて、
コウモリや毒蜘蛛などがいてもおかしくない恐くて不気味な世界である。
なぜうら若き女性がそんなものに興味を持つのか?そのことに強い衝撃を受けた。
このことがあって以来、何か仕事が発生すると本屋に駆け込み、
資料として新書を読み漁った。
また書店に行くと自然に新書コーナーに足が向くようになった。
ザッザーとタイトルを目で追うだけで現代の動向が把握できるというメリットもある。そんな慣れ親しんだ新書の中で、最近話題になっているものを読破し、
自分なりの書評を加えて行くのが今回の新シリーズです。

◆いま最も注目されている女性といえば、やはりこの二人。

ヒラリー・ローダム・クリントン上院議員

コンドリーザ・ライス国務長官

ヒラリーといえばもちろん、前大統領クリントンの妻にして
現在ニューヨーク州選出上院議員であり、次期大統領を目指すヒラリー・クリントンです。
またライスといえば、現大統領ブッシュの右腕ともいえる国務長官の座にある
コンドリーザ・ライスです。本のサブタイトルには「アメリカを動かす女たちの素顔」とありますが、
アメリカを動かすということはすなわち世界を動かすことを意味します。
本人たちには申し訳ないが、かつて小泉チルドレンとして注目された
日本の女性政治家とは比べようがないほどに凄いことなのである。
とにかく、この本を手にしたのは、二人に関心があったことはもちろん、
著者が女性であることも理由のひとつでした。
というのも、同性からはどう思われているのかに興味があったからです。
これは男性、女性を問わず、同性の目が冷静(時には冷淡なほど)であり、
正確に分析するケースが多いと信じるからに他なりません。
そういう点では本書は期待を裏切りませんでした。
ただ二人の星座が同じ蠍座である云々というくだりだけは、
もともと星座を信じない野暮な私には、ちょっと興ざめでした。

◆この本は女性のみならず、世の50代男性に是非とも読んで欲しい。

その理由は、この二人がいずれも50代であるということ。
国は違っても我々と同じ世代に属する女性だからです。
ヒラリーは59才、ライスは少し若くて52才だという。しかしテレビや雑誌等で見るかぎり、
二人ともとてもそんな年齢には見えない。もちろん若いという意味です。
やはり体型も含め、自己管理がしっかりと出来ない人間は駄目だと言うことか・・・反省。


◆これまでに抱いていた、ヒラリーのイメージ像が変わった。

余り詳しく述べますと、本の売り上げの妨げになりかねないため、
ひとつだけ文中から抜粋して紹介しておきます。
著者は二人の人間像を正確に浮かび上がらせるには、そのスタイルを知ることが大切であると言う。
ここで言うスタイルとは物事の処理の仕方、仕事のやり方、価値観、得意分野、
タイプなどの総称だと説明する。
ライスは、国際派で、トップの人間しか相手にせず(上流志向)、
組織の運営に適しており(マネジメント能力)、プライベートは表に出さず(秘密主義)、
完璧に課題をやり遂げる(意志の力)人間である。
一方のヒラリーはといえば、地域密着型で(アメリカン)、子どもの頃からまとめ役(クラス委員長)、
分かりやすく情熱的な話しで人を魅了し(演説上手)、ミーハーっぽくドタバタする(お騒がせ体質)
印象が強いという。
両者の違いがクリアに見えてくる、非常に面白い分析であるし、ヒラリーにより
人間的な親近感を抱いてしまった。


◆二人の存在にアメリカのとてつもない底力を垣間見る。

とはいっても、二人は間違いなく上に超が付くぐらいの秀才であることは既成の事実である。
その輝かしい経歴の紹介はここでは省略しますが、
この二人が近い将来、アメリカ大統領選を戦う可能性も大いにあるということです。
ヒラリーとライス。肌の色が異なる二人の超エリート女性を育てた
アメリカという国の底力には計り知れないものがある。
読後に感じた私の率直な感想でです。

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